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目次

 1.はじめに
 2.開発・承認
 3.作用
 4.使用
 5.副作用
 6.対応
 7.訴訟
 8.感想
 9.補足
 10.その後 NEW!
 11.資料
 12.訪問者書き込み用
 13.最終更新場所

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イレッサまとめ

最終更新:2006.03.01
はじめに
ここは一医学生である俺俺が主にネットで集めた、イレッサに関係した情報を提供しているまとめサイトです。多少考察も含まれていますが、立場的には中立で、客観的に物事を捉えているつもりです。アストラゼネカ社・厚生労働省・イレッサ薬害被害者の会、またはそれ以外のどの団体とも関わりはありません。
内容に関しては、正確を期すよう細心の注意を払ってまとめているつもりですが、見落とし・書き損じ・誤解などありましたら遠慮なくご指摘願います。
このまとめを用いた事で発生した如何なる損害も当方では一切の責任を取りませんので予めご了承下さい。
なお、このまとめサイトでは各種報道機関からの記事を多種引用しております。転載時には著作権法が定める引用の範囲を逸脱する事の無いように努めてはいますが、もしお気付きの点や問題点等ありましたらご連絡下さい。
それ以外の箇所などの引用・転載は自由に行ってください。ただし商用利用はお断りします。
来訪者コメント用ページ
感想、タレコミ、間違いの発見など何でもありましたらこちらまで。
(26/03/05 俺俺)
開発・承認
2001年、アストロゼネカ社(以下ア社)が開発を進めてきた分子標的薬の最終臨床結果が発表された。
翌2002年1月28日、ア社は世界に先駆けて日本の厚労省に承認を申請し、同年7月8日に認可される。
同年8月30日、分子標的薬イレッサ錠250®(以下イレッサ)が日本で発売される。
作用
イレッサの薬効成分は一般名ゲフィチニブ(Gefitinib)と言う。
ゲフィチニブは腫瘍細胞の表面に過剰発現した上皮成長因子受容体(EGFR,Epidermal Growth Factor Receptor)のチロシンキナーゼを選択的に阻害し、腫瘍細胞の増殖能を低下させる。
使用
発売当初、イレッサにはまだ副作用の報告もなく、また、進行して手術不能となったり再発した肺癌(非小細胞性肺癌)に対する夢のような薬というイメージが先行した。
そのため、本来イレッサを処方するべきはずの呼吸器科医や腫瘍専門医のほかにも、一般診療所や非癌専門医が処方したり、或いは他の民間医療との併用という本来なされるべきでない処方・使用が行なわれた。
その結果、2002年8月30日の発売から同年末までに20000人に投与されたため、副作用、特に急性肺傷害の報告が多数なされた。
副作用
イレッサの製品には当然ながら、説明書が付属されており、その中には起こりうる副作用が記述されている。
発売当初に既に、「急性肺傷害」の危険性は指摘されている。
対応
短期間に多数の副作用の報告を受けたア社は2002年10月15日、発売から僅か1ヶ月半の時点でイレッサを処方する医療従事者に安全情報を提供している。
同年12月26日には前日厚生労働省が検討した安全対策に取り組む旨を発表した。
その後も、東大教授との共同研究などを行なっており、また現在では、大掛かりな市販後の臨床試験を実施している。
これは、イレッサを含む化学療法を受ける患者約6000名を対象として急性肺傷害の状況を詳細に調べるというものである。
これには全国の大学病院や主要な施設が参加している。
訴訟
イレッサの副作用で亡くなった患者の遺族が2004年6月21日、損害賠償請求訴訟を起こすと発表した。
相手は国(厚労省)とア社。ア社の賠償と謝罪を文書で求めたが同年7月5日、ア社は「法的責任はない」として要請を拒否。
これを受けて患者側は訴訟を起こす決意を固めた。

2004年7月15日追加:
京都府の元会社役員男性(69)の遺族4人が2004年7月15日、全国に先駆けてイレッサ販売元ア社と国を相手取り、慰謝料など3300万円を求める訴訟を大阪地裁に起こした。
訴状によると、男性は肺がんのため02年4月から京都府内の病院に4カ月入院し、別の抗がん剤と放射線治療が効果を上げ、自宅に戻った。9月初めに同府内の別の病院で医師に勧められてイレッサを1週間服用したところ、まもなく呼吸困難に陥り、約1カ月後に副作用の間質性肺炎で亡くなった。
会社側は同日、次のような見解を発表した。
当社は、7月5日にご遺族よりの申し入れに対して回答書をお送りし、当社としての見解や当社が実施してきたことなどについて説明を行いましたが、それに対してご意見やご反論がないまま、本日、ご遺族より訴訟が提起されましたことは残念なことでございます。訴状の内容を見ておりませんので、これ以上のコメントは差控えさせていただきます。
2004年11月29日追加:
2004年07月15日に起こされたイレッサ訴訟の初弁論が1日、大阪地裁(瀧華聡之裁判長)であった。
2004年11月29日追加:
治療中の2002年に死亡した女性(当時31)の遺族が2004年11月25日、輸入販売元のア社と国に計3850万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。
訴状によると、女性は02年8月に服用を始め、約2カ月後に死亡した。遺族は「副作用があるとの説明はなかった」としている。
2005年3月7日追加:
治療中の2002年に死亡した女性(当時77)の遺族が2005年3月7日、輸入販売元のア社と国に計3300万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。
訴状によると、男性は2002年4月に肺がんと診断され、抗がん剤治療を続けていたが、同年9月、医師の勧めで約10日間、イレッサを服用したところ、副作用の間質性肺炎を発症し、同年12月に死亡した。
2005年4月27日追加:
治療中の2002年に死亡した男性(当時48)の遺族が2005年4月25日、輸入販売元のア社と国に計3300万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。
訴状などによると、男性は2001年12月に肺がんと診断され、02年10月からイレッサの服用を開始。約2週間後に間質性肺炎で死亡した。(共同通信4/25)
2005年7月22日追加:
イレッサを服用して副作用を発症した、存命の患者が、ア社と国を相手に550万円の損害賠償を求める訴訟を近く大阪地裁に起こすことがわかった。
男性によると、再発した肺がんの放射線治療で三重県の公立病院に入院していた2002年8月、前月に承認されたばかりのイレッサの服用を主治医から勧められ、退院後の9月末から自宅で服用した。
 約3週間後から微熱が出始め、10月末には熱が40度を超え、激しい呼吸困難に陥った。検査で重い間質性肺炎と判明。一時は心停止を起こして意識不明になったが、ステロイドの大量投与を約1か月間受けて回復した。(読売新聞7/22)
2005年7月29日追加:
2002年に投与されたイレッサによって重い副作用を強いられ、堪え難い苦痛を受けたとして、三重県の会社員が輸入販売元のア社と国に計550万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。存命中の患者が裁判を起こすのは今回が初めてである。
肺がん治療薬イレッサ(一般名ゲフィチニブ)を服用し、副作用の間質性肺炎を発症した三重県四日市市の会社員清水英喜さん(49)が29日、「副作用の危険性を認識しながら医療機関への警告を怠った」として、輸入を承認した国と販売会社「アストラゼネカ」(大阪市)に550万円の損害賠償を求め大阪地裁に提訴した。(京都新聞7/29)
感想
イレッサ発売当初のデータからは副作用が予見できたかと言うと、どうも難しい。また、イレッサは効果はかなりある薬であり、代替治療の無い患者の中で積極的に投与を希望した患者も多かったこと等を踏まえるとア社の責任を問うのは厳しいと思われる。

WJTOGに設置されている「ゲフィチニブ急性肺障害・間質性肺炎調査委員会」の中間報告書(2003年7月18日)によると、急性肺傷害・間質性肺炎の発症頻度は3〜4%、死亡率1〜2%だと推定されている。
高い数値ではあるが、同時に分かったことは「男性・喫煙者・突発性間質性肺炎・肺線維症の合併」が大きな危険因子であることが浮き彫りになっている。中でも「喫煙」が強い発症危険因子であることが判明したそうだ。

なお、マスコミ等では「肺障害」と記載されているが、正しくは「肺傷害」だということなので、ここでは「肺傷害」で記述した。

2004年12月20日追加:
来訪者コメント用ページ
感想、タレコミ、間違いの発見などありましたらどうぞ。
東洋人には効果ありと言うことだが、欧米で承認取り下げなどの動きがあると、例え効果が認められた場合にも裁判に大きく影響してきそうだ。次の公判は1/24(大阪)2/16(東京)。どうなるのだろう(12/20俺俺)
補足
現在行なわれているイレッサ投与に関しての補足。

現在のところ、イレッサの投与が果たして適当か、他の治療手段が無いかなどを検討したうえで、
患者とその家族にイレッサ投与の必要性、副作用の危険性などの情報を十分に伝え、
インフォームドコンセント(説明に対する同意)を得る。これらの手順は文書にて行なわれる。
投与はこの手順後に行なわれ、ゲフィチニブ250mgが含まれるイレッサを朝1回だけ1錠経口で服用させる。
勿論、これは標準的な治療だが、これを超える量の投与(即ち1日250mg)は行なわれていない。

2005年1月8日追加:
昨年末からイレッサに関するニュースが何本か出てきており、そのうちの一つがイレッサの欧州における事実上の市場撤退であった。これは、欧米人に大しては延命の効果がない(正確には、統計的有意がない)と言う結果を受けてのものである(腫瘍そのものの縮小効果はある)。また、この試験により、東洋人には延命効果がある(統計的有意な差がある)ことがわかった。現在日本では第Ł相臨床試験が行われている途中だが、今のところイレッサは継続して使っている。なお、代替治療がある場合でも、効果が予測される場合には使用しているとのこと。喫煙歴のない女性は効果がある傾向にあるようだ。

2005年2月15日追加:
イレッサが2002年7月に認可されて以来の国内出荷量は554万錠に昇ることが2005年2月15日明らかになった。(ソース:毎日新聞)
その後
2004年12月20日追加:
12月17日FDA(米国食品医薬品庁)は、アストラゼネカ社の発売する肺ガン特効薬イレッサ(ゲフィチニブ)の有意な延命効果がないと発表した。
The Food and Drug Administration (FDA) learned yesterday from AstraZeneca that a large clinical trial comparing Iressa (gefitinib) with placebo in patients with non-small cell lung cancer who had failed other courses of cancer therapy showed no survival benefit from taking Iressa.
アメリカのみならず、世界各国(日本含まず)で進められていた臨床試験の結果が出ました。
イレッサの進行非小細胞肺がんにおけるISEL試験の結果について
アストラゼネカ英国本社が2004年12月17日に発表したプレスリリースの日本語訳
腫瘍縮小効果はあるようですが、延命効果はあまりみられない(ただし、日本人以外の東洋人には有意な効果あり)との臨床結果が出たようです。日本で進行中の第III相臨床試験の結果が出るまでは、医師と相談した方がいいだろう。

2005年1月8日追加:
日本の厚労省は2004年12月27日、イレッサのISRL試験の結果を検討する検討会の開催を決めた。2005年1月20日に開かれる。
2005年1月4日ア社は欧州医薬品審査庁への承認申請を取り下げると発表。これは、前年12月17日に発表されたイレッサの臨床試験の結果に基づいたものであるようだ。

2005年1月20日追加:
日本の厚労省が2005年1月20日、専門家を集めてイレッサの有効性の再検討会を開いた。3月には最終的な結論を出すものとみられる。

2005年2月27日追加:
アストラゼネカ・プレスリリース2005/2/25
アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:加藤 益弘)は、本年3月1日より、イレッサの承認申請の際に薬事当局へ提出いたしました一般毒性試験結果(イレッサの毒性評価に関するマウス、ラットおよびイヌの単回投与および反復投与毒性試験に関する報告書)をウェブサイト上で公開することにしましたのでお知らせいたします。
承認申請に用いられた試験結果を公表すると発表された。

2005年3月1日追加:
アストラゼネカ2005/3/1イレッサの一般毒性試験に関する詳細情報がアストラゼネカ社から公開された(一部を除き英文)。

2005年3月6日追加:
『薬のチェックは命のチェック』インターネット速報版No50先日公開されたデータを浜六郎氏が分析されたようです。

2005年3月11日追加:
イレッサ、東洋人非喫煙者に延命効果
2005/3/10開かれた厚労省のイレッサ検討会で、ア社は28カ国で行われたイレッサの臨床試験の結果を報告した。今後、日本肺癌協会が作成したイレッサの新ガイドラインなども検討し、今月中に対応を決定する予定。
 参考→肺がん治療薬「イレッサ」、使用継続へ(読売新聞10/3/05)
    イレッサ:投薬対象の新ガイドライン作成 日本肺癌学会(毎日新聞10/3/05)

2005年3月17日追加:
女性や非喫煙者にイレッサを推奨…日本肺癌学会
肺がん治療薬「イレッサ」(一般名・ゲフィチニブ)の投与指針について、日本肺癌(がん)学会は、「女性、非喫煙者、日本人(東洋人)などへの使用を推奨する」とするイレッサの新たな使用指針をまとめ、17日、厚生労働省の専門家検討会に提出した。
 イレッサは2002年の承認後、副作用での死亡が相次ぎ、同学会が翌年、イレッサを投与すべき肺がん患者の対象を絞り込んだ。その後の臨床試験で、効果がある患者の特徴が判明し、さらに専門医に徹底するため、新たな指針を作った。対象者には、がん細胞の増殖を制御する遺伝子に変異がある患者も含めた。
 同時に、副作用を早期発見するため「投与開始後2週間は厳重な観察を強く推奨する」と呼びかけた。
 製造元のアストラゼネカ社(英国)は昨年末、海外の臨床試験で延命効果がなかったと報告した。しかし、厚労省の検討会は、日本国内では当面、使用を継続することを決めている。

イレッサ:国際臨床試験の患者構成に偏り NPOが指摘
国際的な臨床試験で、たばこを吸わない東洋人患者への延命効果が示唆されたとされる肺がん治療薬「ゲフィチニブ」(商品名・イレッサ)について、この試験の対象になった患者グループの構成に偏りがあったことが、医薬品の監視活動をしているNPO法人「医薬ビジランスセンター」(大阪市、浜六郎理事長)の調べで分かった。イレッサを投与したグループに長い生存が見込まれる患者が多く含まれていた疑いがあり、同センターは「この臨床試験では東洋人に延命効果があるとは言えない」と指摘している。
 同センターは偏りを指摘した意見書を厚生労働省に提出しており、同省は17日に開く「ゲフィチニブ検討会」で配布する方針。イレッサの有効性を巡る議論がさらに高まりそうだ。
 議論となっている臨床試験は、イレッサの製造・販売元であるアストラゼネカ社(本社・英国)が03〜04年、日本を除く世界28カ国1692人にイレッサと偽薬を処方して生存期間を比較した「ISEL」。全体として延命効果は確認できなかったものの、台湾やタイなどの東洋人患者(342人)を見ると、イレッサを投与した群の生存期間は9.5カ月で、偽薬を投与した群の5.5カ月を上回った。ただ喫煙者に効果はなく、喫煙歴がない東洋人の生存期間が延長した。
 しかし、同センターがア社の英文資料を詳しく分析したところ、喫煙歴のない東洋人患者(141人)のうち、がんと診断されてから臨床試験の開始までが「6カ月未満」の患者は、イレッサを投与したグループで全体の22%だったのに、偽薬を投与したグループでは41%を占めた。一方、「1年超」の患者については、イレッサを投与したグループで全体の40%を占め、偽薬のグループでは25%にとどまった。
 浜理事長は「診断から臨床試験まで1年を超えている患者はがんが早く発見されたり、がんの進行が遅い人と見られ、長く生存する可能性が高い。そのような人をイレッサを投与したグループに多く入れれば、偽薬を使ったグループよりも生存期間が長くなるのは当然」と指摘している。
 ア社広報部は「個別の指摘についてのコメントは差し控えたい。ISELの患者データについては厚生労働省の検討会で宿題が出されており、できる限り詳細な情報を出していきたい」と話している。
2005年3月17日に開かれた厚労省の専門家検討会において、二つの報告があった。一つは、日本肺癌学会が提出したイレッサの使用に関する新ガイドライン。これは前週3月10日にあったア社の報告をもとに作られたもので、このまとめページでは既にお伝えしたように「非喫煙者の女性」に有効、とある。
一方、試験の対象患者グループの構成に偏りがあると、NPO法人「医薬ビジランスセンター」が指摘している。これは、同じ癌患者でも、癌の診断から試験までの期間が長いグループと短いグループの人数内訳が違うと言う点で、試験結果が信頼出来ないと言うものである。
その結果、日本肺癌学会の作成したガイドラインを妥当とし、現場での徹底を要請するという結論に達したようだ。
厚労省検討会、イレッサの使用ガイドラインは「妥当」
厚生労働省は17日、肺がん治療薬「イレッサ」(一般名ゲフィチニブ)の有用性を再評価する検討会を開き、日本肺癌学会が改定したイレッサの使用ガイドラインについて「妥当」との意見で大筋一致した。24日の次回会合で、ガイドラインの「順守」を添付文書に盛り込むなど重い副作用の防止を医療現場に徹底してもらうための対策をまとめる。
 ガイドラインは、イレッサの効果が高いとされる女性やたばこを吸わない人、がん細胞の増殖に関係するたんぱく質の遺伝子変異がある人などに投与することが「推奨される」と明記。半面、間質性肺炎など副作用の危険性が高いとされる男性や喫煙歴のある人などへの投与は「本剤から得られる利益が危険性を上回ると判断される場合に限定すること」とし、慎重な使用を求めつつも禁じてはいない。

イレッサ:国内の専門家、試験データ再分析へ
国際的な臨床試験で、たばこを吸わない東洋人患者への延命効果が示唆されたとされる肺がん治療薬「ゲフィチニブ」(商品名・イレッサ)について、北里大大学院薬学研究科の竹内正弘・臨床統計部門教授が同試験の生データを再分析することになった。結果は24日に開かれる厚生労働省のゲフィチニブ検討会で公表される予定。
 イレッサの製造・販売元であるアストラゼネカ社は、世界28カ国1692人の肺がん患者を対象に臨床試験を行い、東洋人への延命効果が示唆されたと分析した。ほかの人種で延命効果は確認されず、分析方法や対象患者の構成などに疑問の声が上がっている。
 厚労省はア社にこの試験の生データを提出するよう要請し、検討会委員である竹内教授が再分析することになった。竹内教授は米国食品医薬品局(FDA)で勤務経験のある臨床統計の専門家。
 一方、17日に開かれた検討会は、一部の患者に見られるがん細胞表面のたんぱく質「上皮成長因子受容体(EGFR)」の特定の遺伝子変異について、条件付きで「イレッサの効果を予測できる重要因子」との見解をまとめた。ただし(1)変異の測定・評価法が確立していない(2)変異のない患者でも腫瘍の縮小が確認された報告がある−−ことから「決定的な根拠にはならない」と判断した。
そして、医薬ビジランスセンターの提出した資料は検討されたものの、数値の要請などが間に合わなかったのか、次回以降に回答されるようである。
もっとも、浜理事長の指摘した数値は必ずしも偏っているとは言いきれない(より正しく言うならば、ガンの診断からの期間の長さが長い=進行が遅い、とは必ずしも限らず、代替治療によって結果的に期間が長くなった、と言うことも考えられる)ので、次回提出される資料が気になるところである。

2005年3月23日追加:
イレッサ:患者の延命効果確認されず 製造会社が臨床試験
 特定の遺伝子変異が認められる肺がん患者への効果が期待されている抗がん剤「ゲフィチニブ」(商品名・イレッサ)について、製造・販売元のアストラゼネカ社(本社・英国)による大規模な臨床試験の結果、このような患者への延命効果は確認されていなかったことが、ア社が厚生労働省に提出した資料で分かった。イレッサの取り扱いについては同省の「ゲフィチニブ検討会」が24日にも最終意見をまとめるが、このデータは今月17日に検討会に提出されたものの説明はされず、議論の対象になっていなかった。最終意見の議論に影響を与えそうだ。
 この臨床試験は、ア社が00〜01年に約2000人の肺がん患者に行った「INTACT」。同社の資料によると、対象患者のうち遺伝子変異の有無が確認できるがん細胞の組織サンプルが採取できた312人の生存期間を解析したところ、変異が認められたグループ(32人)は、認められなかったグループより生存期間が長い傾向にあった。しかし、いずれのグループも、イレッサを投与した人と偽薬を投与した人との間に生存期間の差は認められなかった。
とまぁ、毎日新聞では大きく報道しているが、ソースはどこかと言うと度々登場している「医薬ビジランスセンター」である。一瞬、夕刊を見て見出しの大きさにびっくりしたが、
一方、17日に開かれた検討会は、一部の患者に見られるがん細胞表面のたんぱく質「上皮成長因子受容体(EGFR)」の特定の遺伝子変異について、条件付きで「イレッサの効果を予測できる重要因子」との見解をまとめた。ただし(1)変異の測定・評価法が確立していない(2)変異のない患者でも腫瘍の縮小が確認された報告がある−−ことから「決定的な根拠にはならない」と判断した
と前回既に書いている。一つの根拠が失われただけ、と俺俺は見ているのだが、どうだろうか。

2005年3月26日追加:
「東洋人に効果」イレッサ使用継続、厚労省が決定24日に厚労省で開かれた最終会合でイレッサの使用継続が決定した。東洋人に効果がある、と言う海外での第˘相試験結果を受けたもので、今後イレッサは日本肺癌学会が作成したガイドラインに則って使用されることになる。ただし、東洋人=日本人、とは限らないため、現在日本で行われている第Ł相試験の結果次第で変更も考えられる。
ただ、問題はこちら→イレッサ:投与患者数、急に半減−−メーカーがデータ修正
肺がん治療薬「ゲフィチニブ」(商品名・イレッサ)について、製造・販売元のアストラゼネカ社は24日に開かれた厚生労働省の検討会で、これまで8万6800人と発表していた推定投与患者数を半数以下の4万2000人に大幅修正した。検討会の委員や傍聴者からは「これだけ問題になっている薬なのに、根本のデータがなぜこんないいかげんなのか」と批判が上がり、同社データの信頼性にも疑問が投げかけられた。
あちゃー。詳しい話は分からないけども、イメージ的にはマイナスだなー。

2005年4月10日追加:
投与効果を事前予測 肺がん治療薬イレッサ、徳大など方法確立
徳島大学と東京大学、近畿大学の共同研究グループが、特定の遺伝子の働きを見ることで、肺がん治療薬・イレッサ(一般名ゲフェチニブ)が効きやすい人と効きにくい人を見分ける方法を確立した。八日、大阪市内の大阪国際会議場で開かれた第百二回日本内科学会総会・講演会で徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部の柿内聡司COE研究員が研究成果を発表した。イレッサは効果に個人差が大きく、副作用も強いため、使用上の問題点が指摘されている。
 徳島大学の柿内研究員や曽根三郎教授、矢野聖二講師らの研究グループは、肺がん患者三十三人から、腫瘍(しゅよう)組織を採取。イレッサが効いた十二人、効かなかった二十一人の両群について、約二万個の遺伝子の働き方を比較した。この結果、五十一個の遺伝子で、働き方に違いがあることを発見。このうちがん細胞の増殖や薬物代謝に関連する遺伝子十二個が両群の患者間で差異が大きく、これを調べることで、イレッサが効くか効かないかを事前に判断できることが分かった。
 昨年五月には米国の研究グループが、がん細胞表面のタンパク質「上皮成長因子受容体(EGFR)」の遺伝子に変異がある患者にイレッサが効きやすいという研究結果を報告。しかし、変異がない場合も効果があるケースがあり、より確実性の高い予測法が望まれていた。
もともとEGFRのチロキシンキナーゼを阻害するのがイレッサ(ゲフィチニブ)なので、その遺伝子の変異が効果の有無に関係するとは思っていなかったのですが…遂に有効かどうかの予測が出来る方法が見つかったようです。

2005年4月29日追加:
イレッサ:副作用、死者数は607人に 参院厚労委
肺がん治療薬「ゲフィチニブ」(商品名・イレッサ)について、間質性肺炎や急性肺障害の副作用があったとして国に報告された患者数は1555人、うち死者数は607人に上っていることが、28日の参院厚生労働委員会で明らかになった。副作用報告数が公表されたのは、同省が1月に開いた検討会以来で、死者数は19人増えた。
使用者の人数とかが良く分からないのでどれくらいの率なのかちょっとわからないです。多いのか、そうでもないのか…。

2005年5月6日追加:
イレッサ無効を血液判定、65%を予測・東大医科研
副作用が問題となっている肺がん治療薬イレッサ(一般名ゲフィチニブ)が効かない患者を、血液検査で約65%の精度で予測できる診断法を、東京大医科学研究所の中村祐輔教授(遺伝医学)らが6日までに開発した。
 肺からがん細胞を採取し遺伝子を分析する従来法は、精度が90%以上だが、麻酔が必要で肺を傷つける危険性がある。中村教授は、今回の診断法を「簡便で安全な診断法は世界初。無駄な投薬や副作用の減少、薬剤費の削減につなげられる」としている。
65%の精度というのは、どんなもんなのでしょうか。まだそこらへん良く分からないんですが、一つの判断基準として役に立つんじゃないでしょうか。

2005年5月16日追加:
がん病巣縮小患者へのイレッサ投与、延命効果なし
肺がん治療薬イレッサ(一般名・ゲフィチニブ)を、放射線照射や抗がん剤で縮小したがん病巣をそのまま抑え込む目的で投与しても、患者の延命には効果がないことが、米国の研究チームの臨床試験で明らかになった。厚生労働省が16日、米国がん治療学会で報告されたと発表した。
 イレッサのがん悪化・再発防止効果の安全性と有効性は認められておらず、厚労省は、国内の通常の治療ではこうした使用法は行われていないとしている。
他の治療法で効果があった場合、イレッサの投与はあまり意味のないものだという事が立証されたようです。米国の調査結果なので日本人に直接当てはまるかどうかは不明ですが、厚労相では学会などに通知を行っています。

2005年6月18日追加:
米政府、肺がん治療薬「イレッサ」新規投与に警告
肺がん治療薬イレッサ(一般名ゲフィチニブ)について、米食品医薬品局(FDA)は17日、投与は、すでに服用して効果のあった患者に限り、服用経験のない患者には与えるべきでないとする警告を出した。
 メーカーのアストラゼネカ社(本社・英国)はこれに合わせ、米国での添付文書を改訂する。
 ア社による大規模な国際臨床試験の結果、効くとされる非小細胞肺がんの患者に投与しても延命効果が見られないというデータが昨年12月に出たのを受けた措置。
やはり、アメリカでは昨年12月に出た国際臨床試験の結果が大きく作用したようです。

2005年6月22日追加:
肺がん治療薬のイレッサ、遺伝子変異で薬の効果を予測
特定の遺伝子変異を持つ肺がん患者に効きやすいとされる治療薬イレッサ(一般名ゲフィチニブ)が、別の遺伝子変異を併せ持つ患者では効きにくいことを豊岡伸一岡山大助手(腫瘍=しゅよう=・胸部外科学)らが22日までに突き止めた。
 イレッサは劇的に効く患者がいる一方、副作用が問題となっている。この変異は事前に把握できるとしており、豊岡助手は「遺伝子変異を調べ、効かない患者への投薬を避けることができる可能性がある」としている。(中略)
 豊岡助手らは岡山大病院で治療を受けた患者を調査。この変異がある患者9人のうち8人は薬の効果があったが、1人には効かなかった。この患者は別の場所にも遺伝子変異があり、イレッサの標的部位のタンパク質の構造が変化しているのではないかという。
効果がある人が、かなり限定されてきた気がしますね…

2005年6月24日追加:
イレッサ服用後死亡の患者遺族ら、輸入会社など告発
肺がん治療薬「イレッサ」(一般名・ゲフィチニブ)の副作用とみられる症状で多くの死者が出た問題で、同薬を服用後に死亡した患者の遺族らが24日、輸入販売元「アストラゼネカ」(大阪市)と同社の現・前社長について、薬事法違反(未承認医薬品の広告禁止など)の疑いで東京、大阪両地検に告発状を提出した。(中略)
 告発状では、同社はイレッサが輸入承認される前の2001年秋に医学雑誌などでイレッサを紹介し、間質性肺炎などの副作用を発生させる危険に言及せず、治療効果について広告した、としている。
これはどうなんでしょうか。問題の医学雑誌などの資料がないので何とも言えないのですが、実験段階で有効性が示した薬品の紹介が未承認医薬品の広告にあたるのだろうか。もしこれが認められたら、バイアグラなんてのも日本では未承認のまま口コミで広まったと思ったんですが。
どなたか、資料ありましたら下さい。

2005年6月30日追加:
イレッサ有効な患者判別へ 神奈川県と東大教授が研究
神奈川県は30日、深刻な副作用が問題になっている肺がん治療薬イレッサ(一般名ゲフィチニブ)について、東大医科学研究所の中村祐輔教授と県立がんセンターが共同で、投与が有効な患者を判別する臨床研究に取り組むと発表した。
 イレッサは劇的に効果がある患者がいる一方、副作用の間質性肺炎などで、4月末までに国内で約600人が死亡。県は「有効性が事前に判定できれば、無駄な治療や副作用をなくせる」と期待している。
 県によると、イレッサが効かなかった患者は、血液中に肺がん細胞から分泌される2種類のタンパク質が正常な人より多かったことが、中村教授の研究で分かっている。
中村氏は、5/6のニュース(上にあります)にもある通り、血液検査で65%の精度で有効かどうか調べる手法を開発した人です。研究室のページはこちら

2005年8月1日追加:
イレッサ:胆のう・胆管がんに効果 マウスで確認
肺がん治療薬の「イレッサ(商品名・ゲフィチニブ)」が、難治性がんの胆のうがんや胆管がんに効果を示す可能性があることが、筑波大と米テキサス大の研究で分かった。ヒトの胆のう・胆管がんに近いがんを発症したマウスに投与したところ、多くの例でがん細胞が消失したという。1日付の米国臨床がん研究専門誌に発表した。
 研究チームは、胆のう・胆管がんを発症するよう遺伝子操作したマウスを使い、生後2カ月から1カ月間、薬剤をえさに混ぜて食べさせ、がん細胞の様子を調べた。この結果、薬を使わなかったグループでは72%からがん細胞が見つかったが、イレッサを投与したグループでは17%にしか見つからなかった。また、まだ製品化されていない「GW2974」という薬剤を投与したグループにも3%にしかがん細胞が見つからなかった。
他のガンでの有効性はいくつか見つかっている模様。

2005年8月17日追加:
An Alternative Inhibitor Overcomes Resistance Caused by a Mutation of the Epidermal Growth Factor Receptor
Here, we present the successful establishment of a stable Ba/F3 cell line model system for the study of oncogenic EGFR signaling and the functional consequences of the EGFR T790M resistance mutation. We show the ability of gefitinib to induce growth arrest and apoptosis in cells transfected with wild-type or L858R EGFR, whereas the T790M mutation leads to high-level functional resistance against gefitinib and erlotinib. In addition, CL-387,785 is able to overcome resistance caused by the T790M mutation on a functional level, correlating with effective inhibition of downstream signaling pathways. Similar data was also obtained with the use of the gefitinib-resistant H1975 lung cancer cell line. The systems established by us should prove useful for the large-scale screening of alternative EGFR inhibitor compounds against the T790M or other EGFR mutations.
8/15のCancer Researchの記事。イレッサ(gefitinib)が作用するEGFRの変異を選別する方法を確立したとのこと。情報提供、ありがとうございました。

2005年9月11日追加:
肺がん治療薬イレッサの効果予測、血液診断の精度9割
副作用が問題になっている肺がん治療薬「イレッサ」(一般名・ゲフィチニブ)の治療効果の有無を血液診断により9割近い精度で予測することに、東京大学などの研究グループが成功した。効果が期待できないのに副作用で苦しむ患者を減らすのに役立つ。研究成果は14日から札幌市で開かれる日本癌(がん)学会で発表する。
6/30に追加した記事の続報なんでしょうか。イレッサの効果予測の精度が9割という、高精度診断法が確立されたようです。

2005年9月14日追加:
生存期間3・6倍 「イレッサ有効」がん患者、東大
患者によって効きが違い副作用も問題となっている肺がん治療薬イレッサ(一般名ゲフィチニブ)の投与を受けた末期がん患者のうち、東大医科学研究所の中村祐輔教授らが開発した血液診断法で「効果が期待できる」と判定された患者の生存期間は、「期待できない」患者の3・6−2・6倍に達することが分かった。
そして先日の続報。14日に札幌で開かれた日本癌学会において、イレッサの効果が期待される間者の生存期間が、期待されない間者の2.6~3.6倍であることが発表されました。効果が期待出来るかどうかは血液検査で9割の精度を持つ為、イレッサを的確に処方すれば効果はあるようです。

2005年9月21日追加:
イレッサ治療効果、たんぱく質から予測
国立がんセンターと日本医科大学は肺がん治療薬「イレッサ」(一般名・ゲフィチニブ)の効果を患者から採取したがん組織に含まれるたんぱく質で予測する手法を開発した。手術後に再発した肺がん患者を対象に新手法を試した結果、治療効果が見込める患者を8割の確率で予測できた。(中略)
がんが縮小した患者31人と大きくなった患者16人の組織に含まれるたんぱく質を比べたところ、9種類のたんぱく質の量を調べれば、治療効果を予測できることが分かった。
血液検査の他、組織に含まれるタンパク質の種類を調べることでも効果が予測出来るそうです。

2006年2月28日追加:
抗がん剤イレッサ、非喫煙者の延命効果は喫煙者の3倍
副作用が問題となっている肺がん治療薬「イレッサ」(一般名ゲフィチニブ)が効くかどうかを決める遺伝子の変異を森口尚史・東大先端科学技術研究センター助教授らがほぼ特定した。(中略)
 注目したのは、細胞の増殖などを制御するL858Rと呼ばれるたんぱく質の遺伝子の変異。この変異がある患者の平均生存期間は22か月で、変異がない患者の9・3か月と比べて1年以上の延命効果が確認された。非喫煙者の場合は平均生存期間は24・3か月で、喫煙者の7・4か月より3倍以上長かった。
 森口助教授によると、L858Rの変異は、喫煙者にはほとんどみられない。喫煙歴のある非小細胞肺がんの患者に過剰に現れるAKR1B10という分子が遺伝子変異を抑え、イレッサの効果を激減させている可能性もあるという。
特定の遺伝子の変異によってはイレッサに延命効果があるそうです。
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